葬儀と一言で言ってもいろいろあります。お通夜やお葬式、告別式、お別れの会、など内容や表現の違いがありますが、故人を偲ぶ会という意味ではどれも同じといってもよいでしょう。しきたりや概念によりルールや段取りの決めごとがあるという印象が強いですが、基本的に確定したルールというものはありません。
宗派や地域の文化・風習により、独自のスタイルで行っているということだけは理解しましょう。その中で、お別れの会というものがあります。これは文字通り個人を慈しみ、堅苦しい形式はなしにひたすら別れの儀式を行うという会です。
葬儀というと決められた常識やマナーがあって息苦しく、苦手という方が少なくありません。形骸化しすぎて、実際に個人に対する慈しみの感情を抱きにくいという方も少なくありません。そこで、お別れという言葉で、改めて正しい会を開こうという人間の知恵が込められています。
家族葬とお別れの会はセットのようになってきました。お別れの会をすれば、葬儀に参列できなかった人から責められることもありません。宗教的儀式の一切を排除して営むこともありますが、仏式葬儀に似たようなかたちで営むこともあります。
自由度は高いので、場所も限定されません。斎場を選んでもOKですし、ホテルやレストランを選んでも構いません。もちろん、参列者があまりたくさん来ないのなら、自宅で行ってもいいでしょう。さらに、生前故人が通っていた喫茶店や居酒屋などで行われることもあります。
また、お別れの会では演出にこだわられます。音楽を流すと言うのは当たり前のようになっており、ビデオやスライドショーも欠かせません。また、故人が物作りが好きだった場合、作品を飾ってみんなに見てもらうと言う演出もよく取り入れられます。